暫定調査報告書

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2016年12月29日

Seinus Cliq Fashion Co., Ltd第三者調査機関

暫定調査報告書

株式会社ミキハウストレード(以下、ミキハウストレード)のミャンマー委託先工場において、搾取的な労働が強いられているという国際人権NGOからの指摘に対し、第三者機関として調査を行った。本報告書は暫定報告書であり、最終報告書は2017年1月13日に発行するものとする。

 

調査概要

調査は2016年12月19日より開始し、ミキハウストレードから製品受注した、タキヒヨー株式会社、その他の関係企業へのヒアリング調査、および、当該工場での実態調査(各種帳票類、工場構内の視察・精査、人事労務担当者、品質管理担当者、労働者20名以上のインタビュー調査)を行った。尚、当該工場名はSeinus Cliq Fashion Co., Ltd.であり、労働者数は約650名。ダウンジャケット、布帛製品等の製造を行っている。

 

調査結果概要

当該工場は指紋認証システムで勤怠管理を行っている。勤怠管理帳簿を確認したところ、ミャンマー労働法が定めている週44時間の労働時間を超え、時間外労働時間が1週間に19時間となる週もあり、週の労働時間合計が63時間を超えていることが確認された。さらに調査から、深夜残業並びに日曜日出勤の事実が認められ、このような場合には、生産ライン長、及び、警備員が別途管理をしている帳簿のみで管理し、給与明細にある通常給与とは異なり、現金で給与手当が支払われている。尚、支払われている給与手当が正当に支払われているかは、全ての帳票が確認できず、判断はできなかった。

2016年1月から11月の給与支払いについて帳票で確認したところ、欠勤がある場合に、欠勤日数分より、多くの給与が差し引かれていたことが確認された。また、給与のうち1,000チャット未満の端数を、生産ライン長が集めており、ライン毎の福利厚生として還元している場合もあれば、使用用途不明の場合もあることが確認された。

雇用契約書は、必要項目が空欄になっているものや、実際の雇用月と労働局の確認印の月が異なるものも確認された。また、妊娠をしたら自主退職をするように言われた労働者や、勤務中に叱責されることもあると話す労働者も確認された。

 

調査結果所感

調査を行う上で、各ブランドのCSR監査・労務監査対策として、工場側が帳簿を用意し、問題が無いように見せようとする姿勢が窺えた。この点に関し、監査員は専門家として事実を探り、当該工場への発注者は、監査を受けたことのある工場ということで安心するのではなく、コミュニケーションを継続して行い、透明性のある良好な関係を維持することが、労働者を守るためには必要であると考えられる。

 

今後の対応

正式な報告書は、1月13日(金)にリリース致します。