知らないと損をする、現代奴隷法

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昨年2015年、イギリスで、「Modern Slavery Act 2015 (現代奴隷法) 」が制定されました。これは、奴隷のような労働を根絶するための法律であり、全世界での年間売上高が3600万ポンド以上の、イギリスで事業展開している企業に適用されます。(http://www.legislation.gov.uk/ukpga/2015/30/contents/enacted

なぜこの法律が重要なのかというと、
「うちは日本で作ってるから」「福利厚生しっかりしてるから大丈夫」
という企業であっても、罰則を科される可能性があるのです。

現代奴隷法では、企業は毎年、奴隷と人身取引に関する声明を出すことが求められます。この声明では、自社だけではなく、調達先における取り組みについて、公表する必要があります。つまり、自社は大丈夫でも、調達をしている企業に問題がある場合には、その旨を明記しなければならないのです。

労働力が今後ますます不足する日本において、農業、漁業、食品加工、縫製、建設といったあらゆる分野で、外国人技能実習生の活用は欠かせません。我々の調査では、立場の弱い彼らが、日本人よりも劣悪な環境下で働かされている例がしばしば見つかっています。アメリカ国務省の人身取引報告書でも、外国人技能実習制度において、奴隷労働のひとつである強制労働が日本では発生していると述べられています。(http://japanese.japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20150827-01.html)

このような奴隷労働は、企業で、そしてその調達先の企業で、起こっています。改善に取り組むのも、取り組まずに罰則を科されるのも、企業次第。これは企業の責任、即ちCSRなのです。

2010年に米国で成立したドット・フランク法や、2011年の国連ビジネスと人権に関する指導原則など、サプライチェーンにおける企業のCSRが求められてきたなか、この現代奴隷法の制定により、CSRに取り組まないと明らかに損をしてしまう状況となりました。現代奴隷法では、最初の報告は、2016年3月31日以降に会計年度が終了する企業からとなっています。まだ対策をしていない場合は、お早めに対策されることをオススメします。

ちなみに弊社では、国際NGOの協力で、関連するセミナーを3月22日(火)に開催する予定です。詳細が決まり次第お知らせしますので、お楽しみに!